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「表面も内部もワンショット」光波動場三次元顕微鏡

6.幅広い分野への適用展開

6.1 半導体製造プロセス

半導体製造プロセスでは微細化プロセスと三次元積層プロセスが進んでいます。そのためには、基板となるウェーハを均一に作り、その上に何層も積層していくデバイスがきちんと作られているかを測定・評価することが必要になります。半導体製造プロセスでは600に及ぶ工程があります。例えば、300工程目で不具合が発見された場合、それよりもずっと以前のプロセスで何らかの欠陥が生まれ、以降のプロセスで蓄積されNG品に至るという経緯を辿ることが多いです。そのため、可能な限り早い段階のプロセスで欠陥の原因を発見したいと考えています。数nmプロセスの半導体でもnmレベルの観察・測定だけが求められるわけではなく、300 mmウェーハでは、ウェーハ全体の大きなうねりや、10〜20 mm程度の中間サイズのうねり、数nm程度のラフネスなど、さまざまな形状の測定・評価が要求されます。一見ミクロで見るときれいに見えてもマクロで見るとうねっているというケースがあり、ミクロなサイズ領域と中間的なサイズ領域とマクロのサイズ領域のすべてで平滑に仕上がっているかどうかを確認することは難しいです。そうした評価システムはこれまで存在しなかったので、MINUKの利用価値は高いと考えられます。nmレベルのラフネスであれば原子間力顕微鏡(AFM)や走査電子顕微鏡(SEM)などが利用できますが、中間サイズのラフネスに対応した評価装置は少なく、間接的で定性的な測定評価方法がとられているケースも少なくありません。MINUKは視野が広く分解能が高いため、300 mmウェーハという大きな対象物の小さな領域から大きな領域まで(微細なラフネスからWARPまで)の全体的な形状を観察できるという点に期待が寄せられています。一方で、SiC、GaN、Ga2 O3、ダイヤモンドなどの化合物半導体の開発では、結晶化させて大径基板を作るという製造プロセスの難しさがあり、結晶性の異常や異物混入などの問題から均一な製品が製造できないという課題を抱えています。これに対し、MINUKは三次元形状の内部のどこに結晶性の異常があるのか、異物が混入しているかを観察できます。現状こうした内部の結晶構造や異物の位置などの非接触、非破壊、非侵襲観察はMINUKが有効です。今まで観察できていなかった内部の結晶構造や異物の位置などのファクターが、半導体の特性にどう影響するかといった現象解明などに寄与できるものと考えています。

 

6.2 ライフサイエンス分野

細胞などの生命体の観察は一般的に染色や蛍光によるイメージングを行うことが多くあります。しかしこれらの手法では、生命体を生きたまま長時間リアルタイムで観察する場合、試薬による毒性や褪色など多くの課題があります。MINUK では、非染色かつ蛍光を使用しないラベルフリーOPD イメージングにより細胞の形態や内部構造を可視化でき、生きたままの細胞を長時間モニタリングすることが可能となります。今後、多くの生命現象の解明や細胞を扱う産業応用分野で活躍の場を拡げていきます。

 

6.3 化学分野

化学メーカーでは、異なる溶液を混合し温度や圧力を変化させながら生成物を作るプロセスが日常的に行われています。しかし、化学反応の進行や相分離の様子をリアルタイムで詳細に観察することは、従来の光学顕微鏡では困難な場合が多いです。例えば、水中の油滴(oil-in-water)や油中の水滴(water-in-oil)のエマルジョン状態は、界面の屈折率差によって可視化できますが、油に洗剤を混ぜた際の液面の波打ちや広がりなど、屈折率が近い液体同士では境界線が識別しにくくなります。MINUK は屈折率のわずかな変化を可視化できるため、通常の顕微鏡では見えづらい液体の界面や反応の進行過程をリアルタイムで観察できます。これにより混合プロセスの評価や、目的とする生成物の析出過程の詳細な解析が可能となり、さまざまな化学反応プロセスへの応用が期待されます。

 

※本記事は『メカニカル・サーフェス・テック』2025年2月号の掲載内容を一部編集したものです。

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