『イメージで分かる』光源の明るさ
5.照度とは
■ 照度
照度は単位面積に入射する光束量で表されます。単位はルクス(lux)、省略記号でルクス(lx)と表される場合もあります。
■ テーブルの照度
照度の計算をイメージすると上図のようになります。
■ 照度の注意点
では部屋のテーブルが高くなったらテーブルの照度はどうなるでしょうか。元の部屋をA、テーブルの高さを高くした部屋をA’とした場合、両方の部屋のテーブルの照度を比較すると部屋A’のテーブルの照度の方が高くなります。この事例から環境によって照度は変わることが分かります、しかしそれでは照度によって部屋の明るさを考えることは難しいともいえます。
■ 光源からの距離と照度の関係
照度は光源との距離によってその値が決まります。その例を面積は同じで光源からの距離が倍違う観測面1、2で考えてみましょう。点光源に近い観測面1には放射された部分光束a~gのうちc,d,e,fが入射します。一方で点光源から遠い観測面2には部分光束dしか入射しません。これは観測面の距離が遠ざかることで、照度が減少することを表しており、一般的には照度は光源からの距離の2乗に反比例します。これを照度の逆2乗則といいます。
■ 照度で光源の明るさを表す方法
光源との距離で照度が変わるため、照度で明るさを表すのは勝手が悪く感じられます。しかし、距離を条件として明るさを表現すれば光源の明るさを照度で表すことは可能です。
例えば図のような環境で照度を表す場合、「電球Aは2m離れた距離において、100lxの直下照度を与える」というように照度値が得られた際の距離を結果に付記すれば、照度によって光源の明るさを示すことができます。
■ 照度の問題点
照度を用いることで照明を部屋に取り付けたときの部屋の明るさが分かりますが、照度は観測する場所によって同じ光源でも値が変化してしまいます。照度は光源自体の明るさではなく“任意の場所”に入ってくる光の量でしかないため、光源の明るさを一義的に決めることはできません。
そういった理由から光源同士の明るさの比較には向いていません。
■ 光源(照明)の明るさを比較するには
輝度でも照度でも、様々な照明同士の明るさを比較するには不向きであるといえます。ではどうやって明るさを比較するのがよいでしょうか。その答えとなる指標が“全光束”です。照明から出る光が多ければ、空間を照らす光がトータルで多くなり明るいといえます。反対に照明から出る光が少なければ、空間を照らす光がトータルで少くなり暗いといえます。このように照明から出る光の総量を表す指標を全光束といいます。
関連製品
マルチチャンネル分光器 MCPD-9800/6800 | |
全光束測定システム HM/FM series | |
分光配光測定システム GP series | |
分光放射照度測定システム |