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平滑表面上に形成された高分子電解質積層膜のゼータ電位

3.結果および考察

図2にスライドガラスのみをセットした時の電気浸透プロット、図3にスライドガラスをポリエチレンイミン水溶液に浸漬した後の電気浸透プロット、図4にそれをポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液に浸漬させた後の電気浸透プロットを示します。 各図の下部(-1と表示した部分)にスライドガラスがセットしてあります。それぞれのピークを2次曲線で近似させ、その関数と-1との交点が平板試料の表面ゼータ電位となります。ただし、図に表示している符号は電気泳動させている粒子から見た符号であり、平板試料の符号は逆になります。それぞれの場合の電気浸透プロットは曲線の形が異なり、スライドガラス表面の電荷状態が異なっていることを示しています。

図2 スライドガラス測定時の電気浸透プロット
図2 スライドガラス測定時の電気浸透プロット

図3 スライドガラスをポリエチレンイミン水溶液に浸透した後の電気浸透プロット
図3 スライドガラスをポリエチレンイミン水溶液に
浸透した後の電気浸透プロット

図4 スライドガラスをポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液に浸透した後の電気浸透プロット
図4 スライドガラスをポリスチレンスルホン酸ナトリウム
水溶液に浸透した後の電気浸透プロット

図5にカチオン性およびアニオン性高分子電解質に交互に浸漬させた後、測定したスライドガラスの表面データ電位を示します。もともとマイナスの表面ゼータ電位をもつスライドガラスは、カチオン性高分子電解質ポリエチレンイミン水溶液に浸漬させるとプラスの表面ゼータ電位を持つようになり、スライドガラス表面に吸着していることがわかります。プラス電位に達してから洗浄し、アニオン性高分子電解質ポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液に浸漬させるとマイナス電位をもつようになります。2回目以降の繰り返し操作でも、その絶対値には処理ごとに差が見られますが、表面ゼータ電位の符号の反転は明確に認められます。

図5 スライドガラスに交互に高分子電解質を吸着させた時の表面ゼータ電位の変化
図5 スライドガラスに交互に高分子電解質を
吸着させた時の表面ゼータ電位の変化

今まで、このような実験では、カチオン性高分子電解質溶液そして、次に、アニオン性高分子電解質溶液に、順次、浸すことによって、高分子電解質を連続的に付加することが多く行われていましたが、同様な方法で行うと2順目以降においては電荷の反転が明確に生じませんでした。今回、スライドガラスをカチオン性およびアニオン性高分子電解質に浸漬した後、洗浄作業を入れることで、電荷の符号の反転が明確に認められるようになりました。これは、連続的に添加し、洗浄操作をはさまないと、吸着しなかったフリーな高分子電解質が表面ゼータ電位測定に何らかの影響を及ぼすことが考えられます。

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