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ホーム > Webで学ぶ > ゼータ電位について学ぶ > 平滑表面上に形成された高分子電解質積層膜のゼータ電位

平滑表面上に形成された高分子電解質積層膜のゼータ電位

1.はじめに

シリカを主成分とするガラス表面は、強酸領域以外では負の電荷を持っている。その表面と電荷が異なるカチオン性高分子電解質(ポリエチレンイミン、ポリ-L-リジンなど)を吸着させると、元の表面と異符号電荷をもつ高分子吸着層を形成することが知られている。さらにその上に、アニオン性高分子電解質(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなど)を吸着させると1層目の高分子吸着層と電荷の異なった吸着層を形成する。このような方法を利用すると、電荷の異なる2種類の高分子電解質を交互に吸着することによって、高分子吸着層を積層させることが可能となる。

今まで、積層法による有機薄膜の作製方法としては、気-水界面に形成させた長鎖脂肪酸などを基板上に積層させて薄膜を作製するラングミュアープロジェット(LB)膜法がよく知られていた。これに対して、高分子電解質の積層で得られる薄膜は、分子の配向性は得られないが、高分子特有の絡み合い効果と強い静電的な引力で堅く結合されることから実用に耐えうる強度をもつという利点がある。また、積層後に、高分子電解質の官能基と選択的に結合する分子やコロイド粒子を積層膜内に埋め込むことができるといった特長もある。これらの利点を有するため、LB膜以上に医薬・農薬・食品・化粧品などの幅広い工業分野で利用できるものと期待されている。
高分子電解質の積層膜作製に関する実験は、積層プロセスの解析にゼータ電位測定や粒子径測定などコロイド科学の実験手法が使用できるラテックスや無機粒子でよく行われている1)。しかし、実際は、面積が確定した平滑な基板上で試みるのが理想的である。

そこで、本研究は、平板試料のゼータ電位測定法-表面ゼータ電位測定法-を利用して、スライドガラス上に電荷の異なる高分子電解質を交互に吸着させ、その表面電荷を測定することによって粒子の場合と同様に交互に高分子電解質が吸着するのかどうか実験を行い、その吸着条件について検討を行った。

参考文献  1) 古澤邦夫、佐藤慎也:高分子論文集、57(6)369-375(2000)

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