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活用例 -フィルム製造工程-

  1. 1ベースフィルム/製膜

  2. 2コーティング/成膜

  3. 3ラミネート/貼り合わせ

  4. 4スリット・シートカット/断裁

  5. 5アッセンブリー/製品

  1. ベースフィルム/製膜

  2. コーティング/成膜

  3. ラミネート/貼り合わせ

  4. スリット・シートカット/断裁

  5. アッセンブリー/製品

ベースフィルム/製膜

一般的に、フィルムは原材料となる樹脂を溶かして作られています。この後の工程で用いられる土台となるフィルムは、ベースフィルムや原反と呼ばれています。ベースフィルムの主な製造方法は、押出成形法、
溶液流延法

溶液流延法は

キャスティング法とも称され、溶媒で溶融した材料を、平滑なドラム(キャスティングドラム)やステンレスベルトに流し拡げて、加熱乾燥することで溶媒を蒸発させてフィルムを製造する方法です。この製法は、材料に対する物理的な負荷が少ないため光学的に安定で、厚み精度が極めて高いことから、光学フィルムに多く利用されています。

などがあり、それぞれ特徴を持っています。さらに押出成形法の中には、
インフレーション法

インフレーション法は

環状のリップ(口金)から材料を押し出して、中央に空気を吹き込むことでチューブ状のフィルムを連続成形する手法で、一般的に厚み制御が難しいため、包装用フィルムなど安価なフィルムに多く用いられています。

Tダイ法

Tダイ法は

直線状のリップから材料を押し出し、フィルム状に出てきた材料をローラーで冷却しながら引き取ります。フィルムの厚みはリップの開口幅で容易に調整することができるので生産性が高く、薄いフィルムも製造できるため光学フィルムなど多くの製品に採用されています。製造できるフィルム幅はリップの長さで決まるため、製品に合わせて延伸工程を経ることが必要になります。

といった製造方法があります。
延伸工程では、フィルムの進行方向に延ばす縦延伸や幅方向に延ばす横延伸、斜め延伸といった工程が目的に応じて施されます。フィルムを延ばすことでサイズや厚みが変化することはもちろん、強度や透明性、偏光などの特性が付加されます。

コーティング/成膜

ベースフィルムに機能性を持たせるため、目的に適した材料を最適な膜厚でベースフィルム表面に付着させます。目的によっては、複数の材料を付着させ、多層コーティングにする場合もあります。

コーティングは大きく、ウェットコーティングとドライコーティングの2つの手法に分類されます。

ウェットコーティング

ウェットコーティングは、ベースフィルム製造工程の
溶液流延法

溶液流延法は

キャスティング法とも称され、溶媒で溶融した材料を、平滑なドラム(キャスティングドラム)やステンレスベルトに流し拡げて、加熱乾燥することで溶媒を蒸発させてフィルムを製造する方法です。この製法は、材料に対する物理的な負荷が少ないため光学的に安定で、厚み精度が極めて高いことから、光学フィルムに多く利用されています。

とほぼ同じ手法で行われます。コーティングしたい材料を溶媒に溶融または分散させてベースフィルムに薄く塗り延ばした後、溶媒を乾燥機で蒸発させて成膜します。溶媒の種類や粘度、塗布量、乾燥温度や時間といった様々な条件を適切に調整することで、膜を均一にコントロールします。

ドライコーティング

ドライコーティングは、主に金属系の材料を薄く付着させる手法で、
蒸着

蒸着は、

成膜したい材料を加熱し蒸発させて、フィルムに付着させます。金属は大気中では蒸発しにくいですが、真空にすると蒸発温度が下がり、容易に蒸発させることができます。また、真空にすることで空間に存在するガス分子への衝突を避けることができます。

スパッタリング

スパッタリングは、

材料(ターゲット)と付着させたい対象物間に高電圧をかけ、イオン化された希ガス(アルゴンや窒素など)をターゲットに高速で衝突させることで、ターゲットの粒子を飛び出させて、フィルムに付着させます。

などがあります。いずれも真空中で処理するため、真空チャンバーなどの大掛かりな設備が必要になります。食品の酸化を抑えるためにガスバリア性を上げるアルミ蒸着や、タッチパネルなどで利用されるITOのスパッタリングがよく知られています。

ラミネート/貼り合わせ

2種類以上のフィルムを重ねる工程です。例えば、コーティングした層を保護するためのプロテクトフィルムや別工程で製造された複数のフィルムを接着剤を使用して貼り合わせます。

「ベースフィルム/原反」で紹介した押出成形法で、複数の材料を複数のリップからそれぞれ同時に押し出して重ね合わせる手法(共押出法)もあります。

スリット・シートカット/断裁

フィルムを使用目的に応じたサイズに切る工程です。
フィルムを流れ方向に切ることをスリットと言います。これをロール状に巻き取ると、例えば、幅違いの食品用ラップフィルムや粘着テープが完成します。
幅方向に切ることをシートカットやカットと言います。スリットしたものを更にカットする場合もあります。カットされたフィルムは、薄型テレビやスマートフォンの部品として、あるいは食品や医薬品の包装用など様々な用途に応じて利用されます。

アッセンブリー/製品

様々な用途に応じた機能性が付加されたロールやシートは、薄型テレビ、スマートフォン、電子部品、電池材料、包装用フィルムなど幅広い分野の製品に組み込まれ、性能向上に役立っています。

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