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化粧品中の無機陽イオンとアミン類のキャピラリー電気泳動による分析

3.化粧品類の陽イオン分析

以上に述べた分析条件を使用して、実際に化粧品類に含まれる陽イオン類について分析をしました。 定量に必要な検量線は、標準品を用いて0.5~20ppmの範囲で作成しました。どの成分においても、相関係数(R2)0.999以上の良い直線性が得られました。検出感度は、NH4およびアルカリ金属、アルカリ土類金属のイオンについては0.1mg/L、アミン類については0.5mg/Lでした。

続いて、化粧水、ヘアークリーム、シェービングクリーム、洗顔剤について、陽イオン分析を行った。化粧水ではCa2+、Na+、Mg2+、ヘアークリームについてはNa+、トリエタノールアミン、シェービングクリームについてはK+、Na+、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの各成分が見られました(図2)。

各化粧品類のエレクトロフェログラム
図2.各化粧品類のエレクトロフェログラム

 

サンプル 化粧水は蒸留水で5倍希釈、ヘアクリーム、 シェービングクリームはそれぞれ市販品100g、50gを蒸留水で 1Lになるように希釈しました。

また、洗顔剤については、Na+とトリエタノールアミンが見られました。5回測定を行ったところ(図3)、再現性については、各成分のピークの移動時間について0.3%、ピーク面積について2%以内となり、良好な結果が得られました。

洗顔剤を5回連続分析したときのエレクトロフェログラム
図3.洗顔剤を5回連続分析したときのエレクトロフェログラム

 

 サンプル 洗顔剤5gを蒸留水で1Lになるように希釈しました。

 

  + Ca2+ Na+ Mg2+ ジエタノール
アミン
トリエタノール
アミン
化粧水
(ppm)
- - 209.4 3.2 - -
ヘアクリーム
(g/g)
- - 7.2×10-6 - - 5.8×10-4
シェービング
(g/g)
2.0×10-4 - - - 1.7×10-4 2.0×10-3
洗顔剤
(g/g)
- - 5.2×10-4 - - 2.6×10-2

表1.化粧水、ヘアクリーム、シェービングクリーム、洗顔剤についての定量結果

各化粧品の測定結果から検量線を用いて定量を行った。(表1)化粧水については、硬度は33ppmとなり、100ppm以下なので軟水であることが判りました。また、ヘアークリーム、シェービングクリーム、洗顔剤には、いずれもトリエタノールアミンが検出されました。それは、洗顔剤に最も多く添加されていました。

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