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化粧品中の無機陽イオンとアミン類のキャピラリー電気泳動による分析

2.陽イオンの分離条件の検討

化粧品の分析に先立って、陽イオンの分離条件を検討しました。今回の分離の対象とした成分は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、そして鎖種の異なる第1、第2、第3アルキルアミン類です。
検討した分析条件の主なものは泳動液のpH調製です。そこでpHを7.0、4.8、4.2と変えて測定をしました。その結果を図1に示します。

エイドウ液のpH7.0、pH4.8、pH4.2におけるエレクトロフェログラム
図1.泳動液のpH7.0、pH4.8、pH4.2におけるエレクトロフェログラム
サンプル: 標準試料各20ppmの混合溶液

pH7.0ではCa2+、Na+、Mg2+のピークと低分子量のアミン類のピークは重なりますが、pH4.8で分離し始め、pH4.2では完全に分離することができました。次に以上の結果から、今回の分析対象成分とした陽イオン類には、pH4.2が適していることがわかりました。

電気浸透流の速度は、泳動液のpHが中性から酸性になるにしたがって低下することが知られています。各陽イオン成分の移動時間を電気浸透流について補正を行い、pH依存性をみると、アミン類の電気泳動移動度はほとんど変化しませんでした。これは、アミン類のpK値が中性~アルカリ性pH領域にあるため、酸性pH領域では解離による影響を全く受けないためです。

一般に、イオンの電気泳動移動度は電荷が同一であるならば、水和したイオンの半径の差で説明できるとされています。検出順序を、アミンの種類によって比較すると、それぞれ以下のような順序となっていることが確認されました:アンモニア-メチルアミン-ジメチルアミン-トリメチルアミン(メチル基で置換したモノアミン、置換基の数が0,1,2,3の順);アンモニア-メチルアミン-エチルアミン-プロピルアミン(第1アミンで置換基の炭化水素の鎖長が0,1,2,3 の順);アンモニア-エタノールアミン-ジエタノールアミン-トリエタノールアミン(エタノール基で置換したモノアミン、置換基の数が0,1,2,3の順)。いずれも各アミンを構成する炭化水素鎖の炭素原子数が増すにつれて、検出が遅れています。つまり電気泳動移動度が小さくなっていることがわかります。

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