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【入門】 ゼータ電位

3.ゼータ電位の測定に大切な「電気浸透効果」ってなに?

セルの材料である石英の等電点はpH2~3であり、それ以上のpHではセルの表面はマイナスに荷電されています。そのためプラス荷電のイオンや粒子がセル壁面付近に集まり、電場がかけられると、これらのイオンにより壁面付近でマイナス電極側への流れが生じてしまい、その流れを補償するためにセル中央部では逆方向への流れが生じます。

Uobs(Z) = Up + Uosm(Z)

  Z : セル中心からの距離
  Uobs(Z) : 位置yにおいて測定される見掛けの泳動速度
  Up : 粒子の真の移動度
  Uosm : セル位置(Z)における電気浸透流れの速度

この一連の流れを電気浸透流と呼び、ゼータ電位測定をおこなう場合、この電気浸透流の発生は避けられません。その結果、観測される粒子の見かけの電気泳動には電気浸透流が加味されることになります。

Uobs(Z) = AU0(z/b)2+ΔU0(z/b)+(1-A)U0+Up ・・・(4)

  A = 1/ [ (2/3) - (0.420166/k) ]
  k = a/b : セル断面の辺の長さa,bの比 (a>b)
  U0 : セル上下面での溶媒の流速の平均
  ΔU0 : セル上下面での溶媒の流速の差

しかしながら、セルの表面電位は、溶液のpH、試料や添加剤の吸着、粒子の沈降およびセルの洗浄法等により変化し、しばしば上下非対称な電気浸透流を作る場合があります。非対称になると、一般におこなわれているセル形状から求められる静止面での測定では真の移動度を求めることはできません。

そこで、電気泳動光散乱装置(ELSZシリーズ)は、電気浸透流の影響を受けている粒子の見かけの電気移動度をセル内の数点で観測し、(4)式から静止面を求め直すことにより、電気浸透流が非対称な系においても、真の移動度を求めることができます。

また、この測定法を用いると、泳動セル表面の荷電状態を求めることができます。平板試料用セルを用いて、セルの片面に平板試料を取り付け、その平板試料の表面電位を反映した電気浸透流を観測します。これを解析することにより平板試料のゼータ電位が求められます。

(2000/6 改訂)

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