ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイト結晶構造をもつ材料を光吸収層に用いた次世代の太陽電池です。薄く軽量で、柔軟な基板にも形成できるため、建物の壁面や窓など従来設置が難しかった場所への応用が期待されています。また、低コストで製造でき、高い光電変換効率が見込まれることから、再生可能エネルギー分野で注目されています。
ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けては、高い発電効率の維持に加え、長期安定性や耐久性の向上、大面積化に伴う膜質のばらつき管理が大きな課題となっています。特に、発電層の結晶性、膜厚、表面状態、欠陥、劣化要因などを正確に把握することが、性能向上と信頼性確保の鍵となります。そのため、材料特性を精密に測定・評価する技術が不可欠です。
ペロブスカイト太陽電池の高品質な製膜には、材料分散状態の把握と成膜後の薄膜評価が重要です。
大塚電子の測定装置は、粒子径・粒度分布測定により分散状態や凝集の有無を評価し、製膜ムラや欠陥の抑制、安定したプロセス構築を支援します。
また、膜厚や屈折率、消衰係数などの光学特性を非接触・非破壊で評価でき、成膜状態の把握や成膜条件の最適化、品質管理に貢献します。
| 粒子径測定 | 粒子径測定 | |
|---|---|---|
| HTL | - | ● |
| ペロブスカイト | ● | ● |
| ETL | ● | ● |
| ITO | - | ● |
分散性不良や凝集物の存在は、製膜ムラや欠陥、光電変換効率低下の原因となります。粒子径・粒度分布を測定することで分散状態を把握し、凝集の有無を評価することは、材料の品質管理や安定した製膜プロセスの構築に重要です。
| 大塚電子DLS | SEM | |
|---|---|---|
| 液の分散性 粒子径 |
〇 (湿式) |
〇 (乾式) |
| 測定時間 | ◎ (1分) |
× (数時間) |
電子輸送層(ETL)は、高い光透過性が必要であり、効率の良い電子の輸送のために薄膜かつ均一な膜の形成が求められます。そのためにETLの製膜に用いられる分散液は、高い分散性が必要となります。
図1. ETL 材料用分散液の粒子径分布
ペロブスカイト結晶膜は、太陽光から電子を発生させる役割を持ちますが、製膜時に膜が不均一やピンホールなどの欠陥があると発電性能の低下につながると考えられます。ペロブスカイト前駆体溶液に凝集物があると粗大結晶や製膜時の欠陥が生じるため、安定的で分散性の高いペロブスカイト前駆体溶液が必要です。
図2. ペロブスカイト前駆体溶液の粒子径分布
膜厚のムラ、製膜異常は品質低下、発電効率低下に繋がります。そこで、膜厚を均一に膜をコーティングすることは重要です。当社では、ペロブスカイト太陽電池の各種膜厚を非接触で測定することが可能です。
| 大塚電子膜厚計 | SEM | 触針段差計 | |
|---|---|---|---|
| 測定時間 | ◎ (数秒) |
× (数時間) |
〇 数分 |
| 多層解析 | ◎ (非破壊) |
〇 (破壊断面観察) |
× (総厚み計測) |
| 品質管理 | ◎ (非破壊) |
〇 (破壊断面観察) |
× (総厚み計測) |
図3. 透明電極(ITO)の膜厚測定
図4. 電子輸送層のSnO2 膜厚測定
図5. ペロブスカイトの膜厚測定
図6. ホール輸送層のSprio-OMeTAD 膜厚測定