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積分半球を用いた光源の全光束測定

2.積分球の構造と原理

測定する光源の配光分布が、電球のように全方向の空間(4π空間)に分布する光源は、一般的に積分球の中心に試料光源を点灯して測定する。図3に、その光学モデルを示す。
半径γの積分球の中心に光源があり、その光源から角度α方向の積分球壁面上の微小面Aに光度で照明されたとする。このとき、積分球壁面Aの照度は、次式で表される。

 

・・・(2.1)

積分球内壁が反射率ρ(視感反射率)で均等拡散反射し、壁面上の微小面Aが面積dSであるとすれば、微小面Aより反射される光束φaは次式で表される。

・・・(2.2)
図3 積分球中心に光源を点灯した場合の光学モデル
図3 積分球中心に光源を点灯した場合の光学モデル
 

面Aの法線に対して角度θの方向の積分球壁面上の微小面をBとする。
面Aより面B方向の光度I0(θ)は面Aが均等拡散反射面とすれば次式で表される。

・・・(2.3)

面Bは積分球内壁上の面であるから、面BへのIa(θ)の入射角はθであり、面Aと面Bとの距離はであるから、面B上の光度Ia(θ)による照度は次式で表される。

・・・(2.4)

式(2.4)より明らかなように、面Aからの反射光は面Aからの出射角θによらず、積分球内壁のどの部分に対しても均一の照度で照明される。積分球壁面を反射した光は積分球壁面間を繰り返し反射し、面Aの照度は次式で表される。

・・・(2.5)

従って図2に示すように、積分球内壁に、その照度を測定する受光器を設け、光源と受光器の間に光源からの直接光であるを遮断する遮光板を設けることにより、 (2.5) 式のの項が消去されて、光源の全光束φに比例した受光器出力が得られる。
このことから、全光束の値が付けられた全光束標準光源と、試料光源を同一の積分球で比較測定することにより、試料光源の全光束を求めることができる。
実際には、光源やこれを点灯する光源点灯治具、遮光板等が大きさを持つため、積分球には図4に示すような誤差要因が存在する。

図4 積分球で全光束を測定する場合の誤差要因
図4 積分球で全光束を測定する場合の誤差要因
 

これらの誤差要因のうち、〔1〕は光源自身が影を作る光源の自己吸収で、積分球に付属の補助光源で補正することが可能である 3)
〔2〕は遮光板によって生ずる影や反射で、積分球を設計する際、最小化を目指す。
〔3〕は、光源を支持する光源点灯治具の自己吸収や反射で、全光束標準電球と試料光源の配光が異なる場合に大きな測定誤差を生ずる。
この光源点灯治具に起因する誤差を解消する方法として、積分半球 4) を紹介する。

 

参考文献  3) IESNA規格LM-79-2008
(Electrical and Photometric Measurements of Solid-State Lighting Products)
   4) 大久保・三島・大嶋:「積分半球を用いた光源の全光束測定」、
照明学会誌、94-8A、p.1-7 (2010)

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