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ゼータ電位・粒子径・分子量測定システム ELSZneo

【光散乱による物性評価は
    ELSZneoで新たなステージへ】

ELSZseriesの最上位機種で希薄溶液~濃厚溶液でのゼータ電位・粒子径測定に加え、分子量測定を可能にした装置です。 新しい機能として粒度分布の分離能を向上させるため多角度測定を採用いたしました。また粒子濃度測定やマイクロレオロジー測定、ゲルの網目構造解析も可能にしました。
新しくなったゼータ電位平板セルユニットは、新開発した高塩濃度対応コーティングにより、生理食塩水などの高塩濃度環境下での測定が可能になりました。3μLで粒子径測定が可能な超微量セルユニットもラインナップし、ライフサイエンス分野への可能性を広げました。
 

【粒子径およびゼータ電位測定専用装置である
               ELSZneoSEは
こちら 


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製品情報

動 画 【測定から結果まで】
 

 

 

 

特 長
  • 希薄から濃厚溶液(~40%)*1まで幅広い濃度範囲の粒子径・ゼータ電位測定が可能
  • 多角度測定により、分離能の高い粒子径分布の測定が可能
  • 平板状サンプルのゼータ電位を高塩濃度下で測定が可能
  • 静的光散乱法を用いて粒子濃度の測定が可能
  • 動的光散乱法によりマイクロレオロジー測定が可能
  • ゲル試料を複数点測定することによりゲルの網目構造や不均一性の評価が可能
  • 標準フローセルで粒子径とゼータ電位を連続して測定が可能
  • 0~90℃の広い温度範囲で測定が可能
  • 温度グラジエント機能によりタンパク質などの変性・相転移温度解析が可能
  • セル内の電気浸透流を実測、プロット解析により高精度なゼータ電位測定結果を提供
  • 蛍光カットフィルター取付け可能(オプション)

 

用 途

界面化学、無機物、ライフサイエンス、半導体、高分子、生物、薬学、医学分野などにおいて、微粒子のみならず、フィルムや平板状試料の表面科学を取り扱う基礎研究、応用研究に最適です。

  • 新規機能性材料分野
    燃料電池関連(カーボンナノチューブ、フラーレン、セルロースナノファイバー、機能性膜、触媒、ナノ金属)
    バイオナノ関連(ナノカプセル、デンドリマー、DDS、バイオナノ粒子)、ナノバブル、
    生体適合性材料など
     
  • セラミックス・色材工業分野
    セラミックス(シリカ・アルミナ・酸化チタンなど)
    無機ゾルの表面改質・分散・凝集制御
    顔料(カーボンブラック・有機顔料)の分散・凝集制御
    スラリー状サンプル
    カラーフィルター
    浮遊選鉱物の捕集材吸着の研究
     
  • 半導体分野
    シリコンウェハー表面への異物付着のメカニズム解明
    研磨剤や添加剤とウェハー表面との相互作用の研究
     CMPスラリー
     
  • 高分子・化学工業分野
    エマルション(塗料・接着剤)の分散・凝集制御、ラテックスの表面改質(医薬用・工業用)
    高分子電解質(ポリスチレンスルフォネート・ポリカルボン酸など)の機能性の研究、機能性ナノ粒子
    紙・パルプの製紙工程制御およびパルプ添加材の研究
     
  • 医薬品・食品工業分野  
    エマルション(食品・香料・医療・化粧品)の分散・凝集制御、タンパク質の機能性
    リポソーム・ベシクルの分散・凝集制御、界面活性剤(ミセル)の機能性
     

原理

粒子径測定原理:動的光散乱法(光子相関法)

溶液中の粒子は、粒子径に依存したブラウン運動をしているため、この粒子に光を照射した時に得られる散乱光は、小粒子は素速い揺らぎを、大粒子はゆっくりした揺らぎを示します。
この揺らぎを光子相関法で解析することにより粒子径や粒度分布が求められます。溶液中の粒子は、粒子径に依存したブラウン運動をしているため、この粒子に光を照射した時に得られる散乱光は、小粒子は素速い揺らぎを、大粒子はゆっくりした揺らぎを示します。
この揺らぎを光子相関法で解析することにより粒子径や粒度分布が求められます。

サーバブラウザ

解析の流れ

ゼータ電位測定原理:電気泳動光散乱法(レーザードップラー法)

溶液中の粒子に電場をかけると、粒子が持つ電荷に応じた電気泳動が観測されるため、この電気泳動速度からゼータ電位・電気泳動移動度が求められます。 電気泳動光散乱法では、電気泳動している粒子に光を照射し、得られる散乱光のドップラーシフト量から電気泳動速度を求めるため、レーザードップラー法とも呼ばれています。

 

電気浸透流実測のメリット

電気浸透流とは、ゼータ電位測定中セル内で起きる溶液の流れのことです。セル壁面が帯電していると溶液中の対イオンがセル壁面に集まります。電場がかかると対イオンは反対符号の電極側へ、セル中央付近はその流れを補うため逆の流れが生じる現象です。 粒子の見かけの電気泳動移動度を実測し、電気浸透流を解析することで、試料の吸着や沈降などのセル汚れの影響を考慮した正しい静止面を求め、真のゼータ電位・電気泳動移動度が求められます。 (森・岡本の式参照)

森・岡本の式
電気浸透流を考慮したセル内の泳動速度解析

Uobs(z)=AU0(z/b)2+⊿U0(z/b)+(1-A)U0+Up

z:セル中心位置からの距離
Uobs(z):セル中の位置zにおける見かけの移動度
A=1/[(2/3)-(0.420166/k)]
k=a/b:2aと2bは電気泳動セル断面の横と縦の長さ.但し、a>b
Up:粒子の真の移動度
U0:セルの上下壁面における平均移動度
⊿U0:セルの上下壁面における移動度の差

電気浸透流の多成分解析への応用

ELSZシリーズではセル内の多点での見かけの電気泳動移動度を実測しているため、測定データ内でゼータ電位分布の再現性確認や、ノイズピーク判定も可能です。

 

平板セルへの応用

平板セルは、箱状の石英セルの上面に、平板試料を密着させて一体化できる構造になっています。 セルの深さ方向の各レベルでモニタ-粒子の見かけの電気泳動移動度を実測し、得られた電気浸透プロファイルから固体界面における電気浸透流の速度が解析され、平板試料表面のゼータ電位が求められます。

 

濃厚系試料のゼータ電位測定原理

光が透過しにくい濃厚試料や有色試料については多重散乱や吸収などの影響によりELSシリーズでは測定が困難でした。
現在、ELSZシリーズの標準セルは希薄系から濃厚系まで幅広く測定することが出来るようになりました。さらに高濃度の試料については、FST法*を採用した濃厚系セルにてゼータ電位測定が可能となりました

分子量測定原理:静的光散乱法(光子相関法)

静的光散乱法は、簡便に絶対分子量を測定する手法として知られています。
測定原理は、溶液中の分子に光を照射し、得られる散乱光の絶対値から分子量を求めています。即ち、大きな分子からは強い散乱光が、小さな分子からは弱い散乱光が得られる現象を利用しています。
実際には濃度によっても得られる散乱光強度は異なるため、数点の異なる濃度の溶液の散乱強度を実測し、次式に基づいて横軸に濃度を、縦軸に散乱強度の逆数に相当するKc/R(θ)をプロットします。これをDebyeプロットと呼びます。
濃度ゼロへ外挿した切片(c=0)の逆数から分子量Mwを、初期勾配より第二ビリアル係数A2が求められます。

分子量が大きな分子は、散乱強度に角度依存性が現れるため、異なる散乱角度(θ)での散乱強度を測定することで分子量の測定精度向上と、分子の広がりの指標となる慣性半径の情報が得られます。
角度固定で測定する際は、推定される慣性半径を入力することで角度依存測定に相当する補正をおこない、分子量の測定精度を向上させることができます。

分子量データ

 

第二ビリアル係数とは

溶媒中での分子間の斥力と引力の度合いを示し、溶媒の分子に対する親和性や結晶化の目安となります。

  • A2が正の場合、親和性が高い良溶媒で、分子間の斥力が強いため、安定に存在しやすくなります。
  • A2が負の場合、親和性は低い貧溶媒で、分子間の引力が強いため、凝集が起こりやすくなります。
  • A2=0の場合の溶媒をシータ溶媒、また温度をシータ温度と呼び、斥力と引力が釣り合った状態で、結晶化が起こりやすくなります。

仕様

測定項目         

ゼータ電位・粒子径・分子量・粒子濃度・マイクロレオロジー・ゲル網目構造解析

仕 様         

測定原理  ゼータ電位  電気泳動光散乱法(レーザードップラー法)
 粒子径  動的光散乱法(光子相関法)
 分子量  静的光散乱法
光学系  ゼータ電位  ヘテロダイン光学系
 粒子径  ホモダイン光学系
 分子量  ホモダイン光学系
光源  狭帯域半導体レーザー
検出器  高感度APD
セルユニット  標準フローセルユニット(ゼータ電位・粒子径)
 粒子径セルユニット(粒子径)
 粒子径多角度セルユニット(粒子径・分子量)
温度  0 ~ 90℃ (グラジエント機能あり)
電源  100V ± 10% 250VA
寸法(WDH)  330(W)×565(D)×245(H)
重量  22 kg

 

測定範囲
ゼータ電位  No effective limitations(実効的な上限なし)
電気移動度  -2×10 -5 ~ 2×10 -5 cm2/V・s
粒子径  0.6 nm ~ 10μm
分子量  340 ~ 2×107

●対応範囲

測定温度範囲   0 ~ 90℃
測定濃度範囲

 ゼータ電位:0.001~40%
 粒子径:0.00001 (0.1ppm) ~ 40 % *1

*1(標準粒子: 0.00001 ~ 10%、タウロコール酸: ~ 40%)

 
標準セルについて
標準フローセルユニット

粒子径とゼータ電位が測定可能なセルユニット


標準フローセルユニット

粒子径セルユニット

粒子径が測定可能な」セルユニット。
市販の角セルが使用可能

粒子径セルユニット

粒子径多角度セルユニット

3角度での粒子径と分子量が測定可能なセルユニット

粒子径多角度セルユニット

測定例

 

分離能が向上した多角度測定

前方・側方・後方の3角度で測定・解析することで、より分離能の高い粒子径分布を提供します。
1角度測定では分離できなかった試料も3角度測定・解析により複数ピークに分離することが可能です。

多角度1角度測定
多角度測定3角度

 

粒子濃度測定

静的光散乱法により、溶液中の粒子濃度を算出することが可能です。

粒子濃度

マイクロレオロジー測定

動的光散乱法により、ポリマーやタンパク質などの軟らかい構造体の粘弾性を測定することが可能です。

レオロジー測定

 

高塩濃度環境下での平板状サンプル測定

平板状サンプルの表面ゼータ電位を測定する平板セルユニットが新しくなりました。
新開発した高塩濃度対応コーティングにより、高塩濃度環境下(154mM NaCl溶液)での測定が可能になり、生体適合材料の評価を実現しました。

平板データ

広濃度範囲でのゼータ電位・粒子径測定

濃度範囲が0.00001%(0.1ppm)の希薄溶液から40%までの濃厚溶液に対応した粒子径とゼータ電位測定が可能です。

濃度依存

オプション

 

ゼータ電位平板セルユニット/ゼータ電位微小平板セルユニット

平板状やフィルム状試料の表面ゼータ電位が測定可能なセルユニット
高塩濃度環境下での測定も可能


 【 平板用セルユニットを用いた測定例はこちら 】

 

●組み立てが簡単な構造
 ねじを使用しない構造を実現

●簡易コーティングをラインナップ
 お客様自身でコーティングが可能

●微小サイズサンプルに対応
 10×10mmに対応

 

ゼータ電位微量ディスポセルユニット

微量(130μL~)でのゼータ電位が測定可能なセルユニット

ゼータ電位濃厚セルユニット

濃厚懸濁試料のゼータ電位測定が可能なセルユニット

ゼータ電位低誘電率セルユニット

非極性溶媒でのゼータ電位が測定可能なセルユニット
誘電率10以下の溶媒にも対応可能

粒子径超微量ガラスセルユニット

微量(3μL~)での粒子径が測定可能なセルユニット

pHタイトレータ(ELSZ-PT)

pHや添加剤濃度に対する粒子径・ゼータ電位変化を自動測定することが可能。
平板セルとの接続も可能。
等電点評価は自動測定により作業時間短縮が可能。
pHタイトレーション

pH範囲  pH1~13
測定モード  滴定モード・添加剤モード・循環モード
循環流速  約10~40mL/min
滴定溶液  3種類(酸/アルカリ/添加剤,独立シリンジ制御)
滴定分解能   0.1μL
サンプル容量  約30mL
pH電極  ガラス電極
寸法・重量  250(W)×310(D)×290(H)mm 約7.5kg
電源  AC100V 50/60Hz 55VA

 【 pHタイトレータ(ELSZ-PT)を用いた測定例はこちら 】

 

高感度示差屈折計(DRM-3000)

分子量解析時の必須パラメータであるdn/dcを実測
DRM-3000

測定範囲  0~±4×10-3Δn
測定波長  633nm(干渉フィルタ使用)
光源  タングステンランプ
試料セル  フローセル 容量8μL
温度範囲  10〜50℃(但し結露しないこと)
 恒温水循環方式
寸法・重量  260(W)×400(D)×165(H)mm 約13kg
電源  AC100V±10V  150VA(MAX)

 【 高感度屈折計(DRM-3000)を用いた測定例はこちら 】

 

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