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高分子相構造解析システム PP-1000 NEW

小角光散乱法(SALS)を用いて、高分子やフィルムの構造をリアルタイムに、連続的に評価できる装置です。

光源に可視光を使用している為、小角X線散乱(SAXS)や、小角中性子散乱(SANS)装置と比べ、より大きな構造(マイクロメートルオーダー)の評価が可能です。

偏光板を用いたHv散乱測定からは、光学異方性の評価や結晶構造の解析ができ、Vv散乱測定からはポリマーブレンドの評価や、配向特性の解析が行えます。

 

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製品情報

特 長
  • 散乱角度0.33~45°の測定を最短10msecで測定可能
  • サブミクロン~数百ミクロンの構造を評価
  • 専用のセルで溶液サンプルも測定可能
  • Hv散乱、Vv散乱測定をソフト上で簡単に切り替え可能
  • 卓上タイプで実験室に設置可能

 ※HDR機能を使用しない時

 

評価項目
  • ポリマーブレンドの相分離過程
  • ポリマー結晶化過程
  • 結晶サイズの算出、結晶成長速度の算出
  • 配向状態
  • 凝集過程
  • 熱硬化過程
  • 温度変化時の構造変化
  • 延伸による構造変化
  • 紫外線による硬化過程

 ※別途相談

 

測定範囲(理論値)
  • 球晶径 1.3~270μm
  • 相関長 0.1~100μm

 

原理

光学系概略図

光学系と測定手順

 

Hv散乱

クロスニコル(偏光子と検光子が直交)で測定をします。
散乱体に光学異方性(複屈折)がある場合、散乱パターンが出現し、高分子の
高次構造体のサイズ、秩序性、配向の評価ができます。

(測定例)結晶性フィルムの球晶径の解析

(測定例)結晶性フィルムの球晶径の解析

結晶性高分子で球晶構造を生成している時は、クローバー型のHv散乱像が得られます。
散乱角度は方位角45°で最大となり、横軸に散乱ベクトル(q)、縦軸に散乱強度(Is)をプロットすると、散乱強度が最大となる測定角度θmaxを有する散乱プロファイルが得られます。
このθmaxを用いて、以下の式から球晶半径を求めることができます。
 

球晶半径を求める式

~各散乱パターンの紹介~
左図:球晶構造 右図:針状構造

 

Vv散乱

パラレルニコル(偏光子と検光子が平行)で測定します。
・ポリマーブレンドの相分離過程の評価
・海島構造の大きさ(相関長)
・粒子径の評価 など

※ 海島構造の島部分の体積分率が必要

(測定例) 相分離構造の相関長の解析

(測定例)相分離構造の相関長の解析

海島構造のように、不規則な構造を有している時は円型状のVv散乱像が得られます。
サンプルの相関長 ξ は、Debye-Bueche plot (横軸にq 2、縦軸にIs-1/2をプロットしたグラフ)を用いて、求めることができます。
解析は以下の理論式に基づいており、指定した範囲で線形近似した直線の傾きをa、切片をbとすると、相関長は以下の式から求めることができます。
 

相関長の式

~各散乱パターンの紹介~
左図:規則正しい構造 ⇒図:不規則な構造

 

仕様

仕 様
測定原理 小角光散乱法
光源 半導体レーザ (波長785nm)
検出器 CMOSカメラ
測定範囲(理論値) 球晶径 1.3~270μm
相関長 0.1~100μm
ダイナミックレンジ 120db以上(HDR機能使用)
測定散乱角度 0.33°~45°(カメラ長に依存)
カメラ長
50mm
150mm
300mm
角度範囲
2°~45°
0.67°~18.4°
0.33°~9.5°
角度分解能
0.3°
0.1°
0.05°
取得像 Hv光散乱像、Vv光散乱像
測定スポット 約1mm
ビームストッパー φ3mm
測定時間 10msec~
電源 AC100-240V 75VA
寸法 W350×D500×H760(mm)
データ処理部 ノートPC(Windows10)

※HDR機能使用時は100msec~

■ HDR
  「High Dynamic Range Imaging」の略。
  露出レベルの異なる複数枚の写真を合成する技術

 HDRの説明

オプション

● 冷却加熱ステージ
● 延伸ステージ

※その他のステージ設置に関しても対応可能です。
 別途ご相談ください。

 

測定例

ポリフッ化ビニリデンフィルムの結晶化プロセス評価 (230℃→160℃)

ポリフッ化ビニリデンフィルムの結晶化プロセス評価(230℃→160℃)

 

メチルセルロース系溶液の相分離プロセス評価(常温→60℃)

メチルセルロース系溶液の相分離プロセス評価(常温→60℃)

【参考文献】
 Motoki Shibata, Tsuyoshi Koga, Koji Nishida, Polymer 178, 121574 (2019)

 

測定方法比較

 

小角光散乱 比較図

 

 

小角光散乱
(SALS)

小角X線散乱
(SAXS)

小角中性子散乱
(SANS)

プローブ 可視光 X線 中性子線
測定範囲 1μm ~ 100μm

1nm ~ 100nm

1nm ~ 100nm

光源波長 数百nm 数Å 数Å
特徴

・安価で簡便
・In-Situでリアル
 タイム測定が可能
・光学異方性の評価
 が可能
・透明試料のみ測定可

・散乱強度が高い
・実験室レベルで
 測定可能
・軽元素(H,Li等)
 の測定 が苦手
・透明試料以外も
 測定可

・散乱強度が低い
・大型施設にしかない
・軽元素の測定も苦と
 ならない
・透明試料以外も測定可

 可視光 波長

 

関連情報

【動画ライブラリ】
小角光散乱技術とは…?
 小角光散乱を用いた測定技術について原理を中心にご紹介いたします。

球晶のアプリケーションについて
 球晶径の説明から測定する方法、実際の測定例を示しながら
 管理する必要性についてご紹介します。

相関長のアプリケーションについて
 相関長の説明から測定する方法、実際の測定例を示しながら管理する
 必要性についてお話しします。

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